２０24年 11月入選作品　（２０24年 　10月応募分から）　＜順不同＞

自　由　吟

秋深し体重計も悲鳴上げ うどん人 （香川県綾歌郡・65歳）
さざ波のような小じわに老いを知る 浅見忠司 （東京都三鷹市・77歳）
ばあちゃんのイビキ怖いと孫が泣く ぱせり （佐賀県唐津市・69歳）
孫帰り心と財布軽くなり 山登爺 （福岡県春日市・71歳）
帽子増え髪の毛薄くなるばかり 望月哲子 （東京都三鷹市・6８歳）
半数が茶瓶になってた同期会 長野　晃 （奈良県奈良市・84歳）
気まぐれなポチに連れられ八千歩 加藤佑子 （東京都調布市・78歳）
宿探しピンは切り捨てキリも捨て 木村忠信 （東京都豊島区・85歳）
秋めいて酷暑どこかにかくれんぼ 利光文夫 （福岡市筑紫野市・72歳）
富士登山泊まって拝む御来光 佐藤　光 （東京都豊島区・81歳 ）
ドライブは新米求め道の駅 横手敏夫 （埼玉県南埼玉郡・71歳）
和室より洋室がいい歳になり 杉山鈴谷 （東京都豊島区・8８歳）
郵便がメールに取られ泣くポスト 鴨井喜子 （福島県会津若松市・77歳）
またエラー助けてほしいセルフレジ ひぐちいちおう （埼玉県上尾市・66歳）
呆けとらん薔薇が漢字で書けたもん 正能照也 （福岡市南区・78歳）
宿命か出逢ってしまい半世紀 松田千代子 （東京都豊島区・80歳）
それなりの暮らしに笑い呼び寄せる 水谷裕子 （三重県員部郡・61歳）
晩酌を間引きしてでも能登募金 荘子　隆 （宮崎県宮崎市・73歳）


課　題　「 老い 」　　

鏡には親そっくりの皺の顔 鴨井喜子 （福島県会津若松市・77歳）
顔のしわ反比例する脳のしわ 鈴木則子 （静岡県磐田市・83歳）
引力に魅力の肉を引っ張られ ぱせり （佐賀県唐津市・69歳）
預金減り日に日に増える愚痴白髪 横手敏夫 （埼玉県南埼玉郡・71歳）
いと淋し今や無縁のドライヤー ひぐちいちおう （埼玉県上尾市・66歳）
老い方もそれぞれ楽しクラス会 藤井敬三 （東京都稲城市・84歳）
老いたなあ忘れたことも忘れてる 大勝康弘 （東京都板橋区・65歳）
老いるとはギシギシ脳が油切れ 柳谷益弘 （静岡県駿東郡・82歳）
老いてきてオイル切れして肌かゆい 利光文夫 （福岡県筑紫野市・72歳）
地図にない老いの細道つえ頼り 山岸由美子 （東京都中央区・66歳）
縮んだ背の影踏み歩む散歩道 長島秀治 （千葉市中央区・86 歳）
駑馬なれど一日万歩駆けるている ぺんだこん （東京都大田区・65歳）
ヨチヨチの孫と散歩でヨタヨタに 山登爺 （福岡県春日市・71歳）
老いの日は春と秋だけあればいい 岡本充敏 （東京都大田区・59歳）
どっこいしょ言い終わってもまだ立てず なつなつまーず （東京都練馬区・57歳）
幸せに老いて自慢の笑い皺 小林寿美 （東京都西東京市・72歳）
3度目は笑って済ます老いの耳 亀津房子 （東京都大田区・67歳）
老いを知り自分史書いてボケ防止 藤田とみ子 （東京都千代田区・82歳）
遊ぶ金貯めた頃には老いている 荘子　隆 （宮崎県宮崎市・73歳）
喜寿過ぎて馴染みの店もツケ効かず 正能照也 （福岡市南区・78歳）
老いだけは貴賤問わずに忍び寄る 二束三文 （東京都豊島区・82歳）
ワインなら年代物と胸を張る 高橋和子 （東京都品川区・86歳）
デイサービス年寄りだけの幼稚園 石田達夫 （千葉県市原市・65歳）
老いらくの恋も死もあるケアハウス 松永成三郎 （千葉県船橋市・91歳）
終活のせいで死ぬほど忙しい 隼　人 （横浜市瀬谷区・60歳）
その時はイエスがいいわ閻魔より 五味淑子 （東京都千代田区・72歳）
医師からはきっと言われる加齢です 斎木美佐緒 （千葉県船橋市・79歳）
どっこいしょフ～ッとため息老い感じ ひー君 （神戸市北区・65歳）
ふらつきに骨折怖い夢を見る 青葉太郎 （岐阜県可児市・78歳）
だいじょうぶ病気ではなく加齢です 長野　晃 （奈良県奈良市・84歳）
気が付けば日々全身に老い襲う 岩窟王 (さいたま市大宮区・80歳）
坂道でふんばる腰を応援す ミードラ （東京都多摩市・63歳）
老いること忘れていますいつも旬 水谷裕子 （三重県員部郡・61歳）
見栄を張りシルバーシート遠慮する うどん人 （香川県綾歌郡・65歳）
被団協闘う老いにノーベル賞 中井萬里子 （東京都千代田区・75歳）




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