2017年 12月入選作品 (2017年11月応募分から)


自 由 吟

入れ歯ない妻の寝顔は非公開 笠原たかし(東京都豊島区・76歳)
歯科治療食欲の秋奪われる やんちゃん(福島県二本松市56歳)
名シェフも家では食べるめざし飯 イカケヤ(名古屋市緑区・65歳)
きっかけは不味いと言ったその言葉 浅見忠司(東京都三鷹市・67歳)
不味いとは言えず珍味と言っておく 沢田正司(愛知県常滑市・80歳)
喧嘩あと家中響くドアの音 池田知子(東京都三鷹市・69歳)
口論のさなかの電話声を変え 長崎正子(東京都三鷹市・73歳)
鼾かく診察待ちの不眠症 佐藤 光(東京都豊島区・76歳 )
寝たきりも通帳だけは腹に巻き 和田ふみ緒(東京都板橋区・84歳)
イビキせぬ老夫をそっと覗き見る 中村百合子(東京都板橋区・85歳)
言い勝って後味わるいお茶すする 斉藤道子(東京都三鷹市・65歳)
秋の旅詩人の顔になってゆく 真田義子(仙台市太白区・72歳)
メル友に会ってびっくりお婆さん よもやま話(奈良県宇陀市・74歳)
お愛想は課長トイレにいつも逃げ 氷川の杜(さいたま市北区・69歳)
忘れたの再放送をまた見てる 鴨井喜子(福島県会津若松市・71歳)
カレンダー努力もなしに痩せていく 荘子 隆(宮崎県宮崎市・66歳)



課 題 「遠い」  

妻が口開くと耳が遠くなる やんちゃん(福島県二本松市56歳)
オレオレにつけ入らせないバアの耳 茶唄鼓(広島県福山市・64歳)
どうしても遠くに見える糸通し 藤田洋美(東京都八王子市・年齢不詳)
遠い親戚近くに来れば何かある 橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳)
遠い縁遺産で急に近くなり 松永成三郎(千葉県船橋市・83歳)
母のいぬ里がだんだん遠くなる 萩原倫子(東京都千代田区・71歳)
漬物は母の味までまだ遠い はぐれ雲(東京都西東京市・68歳)
孫這い這い周りの物を遠ざける 木村忠信(東京都豊島区・78歳)
同窓会遠い記憶と出ぬ名前 荘子 隆(宮崎県宮崎市・66歳)
若き日の遠い記憶は美化される 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
日記帳君といた夏遠い夏 真田義子(仙台市太白区・72歳)
酔っ払いたどり着かない遠い家 長田博昭(東京都葛飾区・72歳)
不義理して足の遠のくドラ息子 右田俊郎(東京都大田区・74歳)
近場より遠出をせがむ歩数計 長島秀治(千葉市中央区・79歳)
命ある限り遠くへ万歩計 岡田久男(東京都大田区・79歳)
すぐそこがとっても遠い田舎道 沢田正司(愛知県常滑市・80歳)
古希過ぎにまだまだ遠い登り坂 よもやま話(奈良県宇陀市・74歳)
遠いから行きたい夢が膨らむ日 風間なごみ(山梨市甲府市・77歳)
遠くから呼んで近付きゃ知らぬ人 本多秀司(東京都三鷹市・81歳)
遠い道彼女と歩き若返り 長嶋昭美(横浜市緑区・85歳)
超美人遠くにいても胸躍る イカケヤ(名古屋市緑区・65歳)
五輪まであと千日だ待ちどおし 比良正弘(川崎市中原区・90歳)
遠距離のバスに集いし国訛り 岡本充敏(東京都大田区・59歳)
悠久の夢掘り起こすチバニアン 藤井敬三(東京都稲城市・77歳)
韓国と北は近くて遠い国 氷川の杜(さいたま市北区・69歳)
長城が砂漠に消える国の果て 遠藤靖彦(千葉市稲毛区・79歳)
拉致家族あまりに遠い愛する子 亀津房子(東京都大田区・67歳)
遠いけど難病消える日が見える 石田達夫(千葉県市原市・65歳)
人混みに押されあなたが遠くなる 鴨井喜子(福島県会津若松市・71歳)
遠くて近いあの世とこの世そのうちに 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
終活も遠い話しでなくなった 柳谷益弘(静岡県駿東郡・75歳)






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