2023年 11月入選作品 (2023年 10月応募分から) <順不同>

自 由 吟

心地好い眠気こらえるコンサート 坂本孝子 (東京都豊島区・88歳)
イケメンが隣り動悸の指定席 風間なごみ (山梨県甲府市・83歳)
シワ増えて老いの風格増すばかり 斉藤道子 (東京都三鷹市・75歳)
背の痒さ我慢できずに孫を呼ぶ 吉澤康裕 (東京都豊島区・80歳)
孫の守り欲しい体力持久力 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・72歳)
九九習う孫と柚子湯でグロッキー 正能照也 (福岡市南区・77歳)
ガマンしてはいたパンツのゴムが切れ 笠原たかし (東京都豊島区・81歳)
おしゃべりは昔茶店で今医院 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・70歳)
夜間尿わしも同じと医者笑う 山田 明 (千葉県印西市・73歳)
診察券好きで集めるわけもなし 小山洋子 (東京都三鷹市・87歳)
寄せ集め支給日前の鍋料理 西原よし子 (東京都三鷹市・68歳)
熱燗とおでんを囲み二人膳 鴨井喜子 (福島県会津若松市・76歳)
長い待てうらめしそうな犬の顔 佐藤勝亮 (東京都豊島区・61歳)
人だかり耳をダンボに駆けつける 内田順子 (東京都三鷹市・71歳)
一か月祭りのために生きている ぱせり (佐賀県唐津市・68歳)
神無月わしは年中髪無月 ひー君 (神戸市北区・64歳)
カミさんの背中が怖いイカリガタ ひぐちいちおう (埼玉県上尾市・65歳)
夫婦とは戦争平和の繰り返し 長野 晃 (奈良県奈良市・84歳)
ごみの日は朝から騒ぐカラスいる 茶飯士 (横浜市泉区・70歳)
オオタニを一句捻れば背番号 ぺんだこん (東京都大田区・64歳)


課 題 「 隣 り 」  

おいしそう隣りの席のオムライス 國定伊代子 (東京都千代田区・77歳)
テーブルを指して注文異邦人 岡本充敏 (東京都大田区・59歳)
熟柿をもらってうれし隣家より 松永成三郎 (千葉県船橋市・83歳)
お隣は餃子ですよと換気扇 風間なごみ (山梨県甲府市・83歳)
あいさつも物も往き交う垣根越し 高橋和子 (東京都品川区・86歳)
豪邸の隣の家が我が家です 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・72歳)
芝の青隣りは隣りうちはうち 八木五十八 (岡山市中区・63歳)
15年隣りにすんで気配だけ 中井萬里子 (東京都千代田区・75歳)
境界を越えてタケノコ顔を出す 茶飯士 (横浜市泉区・70歳)
久しぶりに隣りの子見て歳感じ 石田達夫 (千葉県市原市・65歳)
逃げ道を隣りにおいて子を叱る 山登爺 (福岡県春日市・70歳)
シリーズの音せぬ隣り巨人ファン 大勝康弘 (東京都板橋区・65歳)
マンションのお隣さんの顔知らず 木村忠信 (東京都豊島区・84歳)
隣人は奇妙な人とお互いに 巌窟王 (さいたま市大宮区・78歳)
隣人と保つ程よい車間距離 亀津房子 (東京都大田区・67歳)
ベンチにて話はずむが知らぬ人 藤田とみ子 (東京都千代田区・82歳)
お祭りを粋に支える隣組 山岸由美子 (東京都中央区・66歳)
温もりのとなりでふーと息を吐き 小林寿美 (東京都西東京市・72歳)
席替えに期待ふくらむ始業式 五味淑子 (東京都千代田区・72歳)
隣席の欠伸がうつる長講話 藤井敬三 (東京都稲城市・83歳)
コンサート隣りの席が今の妻 二束三文 (東京都豊島区・81歳)
クラス会隣りの席に恋敵 正能照也 (福岡市南区・77歳)
どちらまで聞かれ許せた汽車の旅 ぺんだこん (東京都大田区・64歳)
両肩に頭預かる電車内 長島秀治 (千葉市中央区・86 歳)
両隣り立つも座るもどっこいしょ 鈴木則子 (静岡県磐田市・82歳)
老夫婦助けてくれる両隣 長野 晃 (奈良県奈良市・84歳)
爺ちゃんは猫を隣りに日向ぼこ 鴨井喜子 (福島県会津若松市・76歳)
平気だよ隣りのイビキやせ我慢 滝田通江 (東京都多摩市・62歳)
隣りからいびき私の子守歌 なつ (東京都練馬区・56歳)
いないかな隣りのトトロ探してる ぱせり (佐賀県唐津市・68歳)
サクランボお前はいいな仲良しで うどん人 (香川県綾歌郡・64歳)
お隣のおかずがわかる晩ご飯 柳谷益弘 (静岡県駿東郡・81歳)
お隣りはサンマ焼く時窓を開け 夕陽のガンマン (千葉市稲毛区・75歳)
羨ましい隣の秋刀魚焼くにおい 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・70歳)
回覧板妻は隣りへ行ったまま 右田俊郎 (東京都大田区・80歳)
宇宙から国境線は見えません 隼 人 (横浜市瀬谷区・60歳)




NPO法人シニア大樂 しにあせん事務局
TEL 03-3251-3955  FAX 03-3251-3957
E-mail: senior-daigaku@joy.ocnne.jp