2023年 8月入選作品 (2023年  7月応募分から) <順不同>

自 由 吟

図書館で避暑と節電二刀流 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・69歳)
金使う欲を失い貯まる金 山田 明 (千葉県印西市・73歳)
医師曰く貯金するより貯筋せよ 鴨井喜子 (福島県会津若松市・76歳)
高騰も卵が悪い訳じゃない 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・72歳)
へそ繰りの出番早める物価高 坂本孝子 (東京都豊島区・88歳)
スパーで立ち話して買い忘れ 河口正美 (東京都三鷹市・69歳)
こっそりと耳うちチャック開いてます 佐藤勝亮 (東京都豊島区・61歳)
知ってても知らぬ振りする思いやり 杉山鈴谷 (東京都豊島区・87歳)
人だかりいつも割り込む好奇心 池田知子 (東京都三鷹市・77歳)
自販機の明るい声に背を押され 風間なごみ (山梨県甲府市・83歳)
遺伝子がチョイ寄りせがむ飲み屋街 斉藤道子 (東京都三鷹市・74歳)
魔法から覚めぬと信じ恋をする 茶飯士 (横浜市泉区・70歳)
妻といて昔天国今異次元 山本 浩 (神戸市北区・64歳)
車椅子妻ぞエンジン命綱 ひぐちいちおう (埼玉県上尾市・65歳)
放電も充電もする回り道 浅見忠司 (東京都三鷹市・76歳)
難聴で内緒話も楽じゃない 松田千代子 (東京都豊島区・80歳)
短冊の孫の願いについホロリ 山登爺 (福岡県春日市・70歳)
マスク越し揺れる心を見透かされ 長野 晃 (奈良県奈良市・83歳)


課 題 「 眺める 」  

天気図を眺めて決める観光地 隼 人 (横浜市瀬谷区・59歳)
車窓にはスカイツリーと隅田川 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・69歳)
逆さ富士千円札と見比べる 柳谷益弘 (静岡県駿東郡・81歳)
E席を取ったが富士は雲の中 石田達夫 (千葉県市原市・65歳)
見えないが地名そのまま富士見坂 長島秀治 (千葉市中央区・86 歳)
吊り橋の谷の深さに足すくむ 萬國谷慶子 (東京都江東区区・73歳)
夕映える山並み眺め旅装解く 松永成三郎 (千葉県船橋市・83歳)
窓を開け眺め気になる観光地 巌窟王 (さいたま市大宮区・78歳)
波しぶき歓声あげる子ら眺め 藤田とみ子 (東京都千代田区・82歳)
雨上がり歓声あげて虹眺め 五味淑子 (東京都千代田区・年齢不詳)
ショーヘイの放物線を仰ぎ見る 岡本充敏 (東京都大田区・59歳)
金魚鉢を眺めて小ネコ大はしゃぎ 山岸由美子 (東京都中央区・66歳)
力士より裏正面の美女眺め 藤井敬三 (東京都稲城市・83歳)
フレンチも美女も眺めるだけとなる 中井萬里子 (東京都千代田区・75歳)
今はただ眺めるだけのラブシーン 大勝康弘 (東京都板橋区・65歳)
摩天楼眠る都会の闇眺め 亀津房子 (東京都大田区・67歳)
寝顔眺め叱りすぎたをそっと詫び 高橋和子 (東京都品川区・86歳)
モノクロの恋を眺める古日記 八木五十八 (岡山市中区・62歳)
隠し持つ記念写真に穴が開く 小林寿美 (東京都西東京市・72歳)
爺の顔とくと眺める孫可愛い 長野 晃 (奈良県奈良市・83歳)
手鏡で顔眺めては皴を撫で 木村忠信 (東京都豊島区・83歳)
シミ映し若き日ニキビ痕を知る ぺんだこん (東京都大田区・63歳)
高級酒眺めるだけにしておこう 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・72歳)
世の動き斜めに眺め茶碗酒 二束三文 (東京都豊島区・81歳)
食べて良し眺めても良し蕎麦畑 鴨井喜子 (福島県会津若松市・76歳)
ベンチから眺める花は愛おしい 國定伊代子 (東京都千代田区・77歳)
お隣の庭園眺め旅気分 山本 浩 (神戸市北区・64歳)
井戸覗き揺れてる顔に目がくらむ 風間なごみ (山梨県甲府市・83歳)
我が地元海なし山なし眺めなし ひぐちいちおう (埼玉県上尾市・65歳)
眺めては監視カメラば見逃さず うどん人 (香川県綾歌郡・64歳)
眺めたら赤みが差してきた夕日 茶飯士 (横浜市泉区・70歳)
満天の星眺めれば走馬灯 山登爺 (福岡県春日市・70歳)




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