２０23年 6月入選作品　（２０23年  5月応募分から）　＜順不同＞

自　由　吟

ベランダの物干し竿にたれる鯉 福田　進 （東京都三鷹市・79歳）
老いの足駅がだんだん遠くなる 坂本孝子 （東京都豊島区・88歳）
惚れたよとウインクしたら目が開かぬ はぐれ雲 （東京都西東京市・73歳）
安売りのチラシが決める夕ご飯 山田　明 （千葉県印西市・72歳）
嫁の愚痴笑顔の奥に仕舞い込む 望月哲子 （東京都三鷹市・67歳）
寝たふりで孫のおねだりかわす術 ひー君 （神戸市北区・63歳）
肩を揉む孫の魂胆乗ってやる 正能照也 （福岡市南区・76歳）
駆け足で上がったとたんドアしまり 笠原たかし （東京都豊島区・81歳）
サミットはジイジの会議孫が聞く 横手敏夫 （埼玉県南埼玉郡・69歳）
途中下車たまにゃ道草してみたい 杉山鈴谷 （東京都豊島区・87歳）
次の波来たらとマスク棄てられず 荘子　隆 （宮崎県宮崎市・72歳）
エスカレータ思わず探す悪い癖 松田千代子 （東京都豊島区・80歳）
夫婦仲我慢くらべで傘寿過ぎ 花輪厚生 （東京都三鷹市・84歳）
爺と孫箸とホークの二刀流 鴨井喜子 （福島県会津若松市・76歳）
行き渡る前に消えてる流行語 長野　晃 （奈良県奈良市・83歳）
我が国に住み着いている大鯰 茶飯士 （横浜市泉区・70歳）
仕方ない俺が選んだ妻だもの 内田順子 （東京都三鷹市・71歳）


課　題　「 空 気 」　　

里帰り美味しい空気と母の味 横手敏夫 （埼玉県南埼玉郡・69歳）
大地の気胸に取り込みまた一歩 大勝康弘 （東京都板橋区・65歳）
いい空気吸ってストレス浄化する 柳谷益弘 （静岡県駿東郡・81歳）
恋すれば街も空気も幸の色 荘子　隆 （宮崎県宮崎市・72歳）
空気さえ富士と京都は別格だ 五味淑子 （東京都千代田区・年齢不詳）
お互いに空気となって半世紀 長野　晃 （奈良県奈良市・83歳）
卒婚で違う空気を吸う気楽 亀津房子 （東京都大田区・67歳）
爺ちゃんの駄洒落が空気かき混ぜる 藤井敬三 （東京都稲城市・82歳）
和ませる空気持つ人憧れる 鈴木則子 （静岡県磐田市・82歳）
老眼で文字と空気も読めません 東村雅夫 　(大阪市旭区・65歳）
見えずとも掴めなくてもある空気 高橋和子 （東京都品川区・86歳）
空気読む上手さで決まる司会業 松永成三郎 （千葉県船橋市・83歳）
コンサートざわめく空気懐かしむ 藤田とみ子 （東京都千代田区・82歳）
空気プシュお化け屋敷の安仕掛け 岡本充敏 （東京都大田区・59歳）
高速で空気切り裂くショータイム 長島秀治 （千葉市中央区・84 歳）
張り詰めた空気を破るホームラン 木村忠信 （東京都豊島区・83歳）
ウイルスが世界の空気支配する 中井萬里子 （東京都千代田区・75歳）
正論を吐いて周りを困らせる 石田達夫 （千葉県市原市・65歳）
痴話喧嘩空気読んでる犬が食う 萬國谷慶子 （東京都江東区区・73歳）
紙風船ついて笑顔が弾けます 鴨井喜子 （福島県会津若松市・76歳）
自転車のタイヤぺちゃんこ走れない 茶飯士 （横浜市泉区・70歳）
客よりも空気を運ぶ過疎地バス 二束三文 （東京都豊島区・81歳）
帰省せよ病気治るぞ空気良し 青葉太郎 （岐阜県可児市・77歳）
脱マスク胸いっぱいに空気吸う 正能照也 （福岡市南区・76歳）
張り詰めた空気を癒す孫の声 隼　人 （横浜市瀬谷区・59歳）
真っ白に空気一変おやじギャグ ひぐちいちおう （埼玉県上尾市・64歳）
へこんでも空気入れ換え跳ねてます 山登爺 （福岡県春日市・69歳）
ボケたのにツッコミされず凍り付く うどん人 （香川県綾歌郡・64歳）
言われるが見えぬ空気をどう読むの 浮世っ子 （愛知県愛西市・78歳）
鎧脱ぎ空気をまとい会いにきて 小林寿美 （東京都西東京市・72歳）
あらかたを空気に頼る鰹節 八木五十八 （岡山市中区・62歳）
膝笑い獲物が笑う空気銃 ぺんだこん （東京都大田区・63歳）
得々と空気を読まず自説説く 巌窟王 (さいたま市大宮区・78歳）
危機感の空気を読めぬ無神経 風間なごみ （山梨県甲府市・83歳）
選ぶなら空気のような人がいい 國定伊代子 （東京都千代田区・77歳）




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