２０23年 4月入選作品　（２０23年  3月応募分から）　＜順不同＞

自　由　吟

雛の夜頬ほんのりと下戸の妻 鴨井喜子 （福島県会津若松市・76歳）
合格が春の扉を開け放つ あめんぼ （東京都稲城市・82歳）
巣立つ子の暮らした部屋の広さ知る 佐藤勝亮 （東京都豊島区・61歳）
光陰はマッハで過ぎる矢の如し 荘子　隆 （宮崎県宮崎市・71歳）
別れても彼は手の内スマホ有り 中野正子 （東京都豊島区・87歳）
プライドが邪魔しデジタル身につかず 山田　明 （千葉県印西市・72歳）
止まるたびお土産増えるバスツアー 河口正美 （東京都三鷹市・69歳）
見送りで電車動かず間が持たぬ 笠原たかし （東京都豊島区・81歳）
地獄耳聴こえない振り難しい 長野　晃 （奈良県奈良市・83歳）
手ぶらでは言い訳できぬ朝帰り 花輪厚生 （東京都三鷹市・84歳）
貴方からあんたに呼び名変わった日 うどん人 （香川県綾歌郡・64歳）
酔いどれの寿司持つ父を鬼が待つ 内田順子 （東京都三鷹市・71歳）
年金が少なか方が飯炊かす 松本百代 （熊本市北区・74歳）
平熱で頭が痛い光熱費 横手敏夫 （埼玉県南埼玉郡・69歳）
頂いた土産の値段ネット見る 星　蕘志 （東京都三鷹市・88歳）
やれ打つなそこは傷だよ肩たたき シュガー （埼玉県蓮田市・84歳）
惜別を重ねかさねて八十路過ぐ 吉澤康裕 （東京都豊島区・80歳）


課　題　「 仲 間 」　　

アルバムに笑顔笑顔の仲間たち 荘子　隆 （宮崎県宮崎市・71歳）
手作りの料理持ち寄り花見する 鴨井喜子 （福島県会津若松市・76歳）
5時からが昼からになる飲み仲間 長島秀治 （千葉市中央区・83 歳）
甘い汁酌み交わしてる仲間ウチ 高橋和子 （東京都品川区・86歳）
割り勘で悪酔いしない飲み仲間 柳谷益弘 （静岡県駿東郡・81歳）
隣席の酌で仲間になる酒場 八木五十八 （岡山市中区・62歳）
孤独のグルメ仲間と食事どっちする 國定伊代子 （東京都千代田区・77歳）
トシともに仲間の価値が高くなり 松永成三郎 （千葉県船橋市・83歳）
岩陰で仲間はずれが毛づくろい 中井萬里子 （東京都千代田区・75歳）
ボウズにも魚分け合う釣り仲間 藤井敬三 （東京都稲城市・82歳）
鯛という名前が付いた深海魚 岡本充敏 （東京都大田区・59歳）
ビートルズ口ずさんだらもう仲間 石田達夫 （千葉県市原市・65歳）
何となくグループ出来る摩訶不思議 風間なごみ （山梨県甲府市・83歳）
仲間だが親しくはない喫煙所 亀津房子 （東京都大田区・67歳）
仲間だろ荒げた声が温かい 小林寿美 （東京都西東京市・72歳）
お先にと終活仲間順不同 山岸由美子 （東京都中央区・66歳）
まだ行かぬ仲間が集う雲の上 萬國谷慶子 （東京都江東区区・73歳）
仲間には僧侶はいるが医者いない 茶唄鼓 （広島県福山市・69歳）
このメンバーはっきり言ってヒマ仲間 ひー君 （神戸市北区・63歳）
お仲間は似た者同志群れたがる 巌窟王 (さいたま市大宮区・78歳）
あれとそれこれで通ずる無二の友 ペンダコン （東京都大田区・63歳）
淡い恋竹馬の友は恋敵 正能照也 （福岡市南区・76歳）
こじれると返って難儀仲間内 長野　晃 （奈良県奈良市・83歳）
持病なし仲間入れぬクラス会 横手敏夫 （埼玉県南埼玉郡・69歳）
年とればどんな人でも病友 浮世っ子 （愛知県愛西市・78歳）
仲間内将棋はいつも待ったあり 木村忠信 （東京都豊島区・83歳）
悪友もやんわり祝辞披露宴 二束三文 （東京都豊島区・81歳）
無人レジまたも仲間が立ち尽くし 隼　人 （横浜市瀬谷区・59歳）
お仲間を見つけて外すマスクかな ジェリック （神奈川県海老名市・49歳）
賃上げの仲間外れを覚悟する うどん人 （香川県綾歌郡・64歳）
十二支にどうしても猫入れない 茶飯士 （横浜市泉区・70歳）
老いて尚夫婦と言える仲間かな 青葉太郎 （岐阜県可児市・77歳）




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