2022年  9月入選作品 (2022年  8月応募分から) <順不同>

自 由 吟

妻の留守グンと伸びして出前とる 内田順子 (東京都三鷹市・69歳)
束の間のひとり時間のチョコアイス 山口恭子 (東京都武蔵野市・73歳)
かき氷入れ歯に染みる老いの夏 あめんぼ (東京都稲城市・82歳)
チョイ昼寝気付けば夕日覗いてる 坂本孝子 (東京都豊島区・88歳)
夕焼けさん早く暮れてよ花火の夜 松田千代子 (東京都豊島区・80歳)
髪洗いワイン片手に遠花火 小山洋子 (東京都三鷹市・87歳)
帰省子の声で賑わうニュータウン 山田 明 (千葉県印西市・72歳)
夕日背に影踏みはしゃぐ子供達 木村忠信 (東京都豊島区・82歳)
パスワードきっと誰かの誕生日 隼 人 (横浜市瀬谷区・59歳)
茶柱に喜ぶ祖母の誕生日 やんちゃん (福島県二本松市・60歳)
スーパーのチラシが決めるお出かけ日 長野 晃 (奈良県奈良市・82歳)
脳トレに筋トレ増やし医者通い 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・68歳)
クラス会好きだったんだもう遅い 正能照也 (福岡市南区・76歳)
お迎えは向こうに都合あるらしい 花輪厚生 (東京都三鷹市・84歳)
残照の輝きみせて生きていく 杉山鈴谷 (東京都豊島区・87歳)


課 題 「 帽子 」  

昼寝の児麦わら帽子が目覚め待つ 高橋和子 (東京都品川区・86歳)
セピア色麦わら帽のボクがいる 亀津房子 (東京都大田区・67歳)
太公望麦わら帽が良く似合い 木村忠信 (東京都豊島区・82歳)
釣り人の帽子に休む秋あかね 松永成三郎 (千葉県船橋市・83歳)
帽子より日傘が似合う年になり 隼 人 (横浜市瀬谷区・59歳)
シミ皴を守ってくれた夏帽子 風間なごみ (山梨県甲府市・82歳)
出逢うたび若返る友夏帽子 渡辺勇三 (奈良県宇陀市・79歳)
早朝のゴミ出し帽子必需品 岡本充敏 (東京都大田区・59歳)
帽子にマスクお互い顔を見つめ合い 石田達夫 (千葉県市原市・65歳)
クラス会帽子取ったら浦島に 萬國谷慶子 (東京都江東区区・73歳)
衣替え学生帽に白い布 遠藤靖彦 (千葉市稲毛区・73歳)
角帽が断捨離の手をしばし止め 藤井敬三 (東京都稲城市・82歳)
サングラスコーンパイプにあの帽子 大勝康弘 (東京都板橋区・65歳)
バーディ―を重ねる友にシャッポ脱ぐ 美川州平 (神奈川県相模原市・92歳)
絵を描こう母さんベレー出しとくれ 長野 晃 (奈良県奈良市・82歳)
熱中症予防を兼ねたハゲ隠し 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・71歳)
頭頂部帽子で隠す人間味 柳谷益弘 (静岡県駿東郡・80歳)
金持ちの証拠昔はパナマ帽 右田俊郎 (東京都大田区・79歳)
無人の家土間に煤けた経木帽 小林寿美 (東京都西東京市・72歳)
花嫁は天女か夜叉か綿帽子 山岸由美子 (東京都中央区・66歳)
節分会帽子を上げて福キャッチ 長島秀治 (千葉市中央区・83 歳)
角落ちの孫と一局シャッポ脱ぐ 二束三文 (東京都豊島区・80歳)
自宅でもスキンヘッドにニット帽 ひぐちいちおう (埼玉県上尾市・63歳)
やわらかい母の温もり毛糸帽 やんちゃん (福島県二本松市・60歳)




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