２０22年  6月入選作品　（２０22年  5月応募分から）　＜順不同＞

自　由　吟

ダイエット何をやってもリバウンド 池田知子 （東京都三鷹市・77歳）
似合うまで何度も試着お婆ちゃん やんちゃん （福島県二本松市・60歳）
眠れない起きれば眠い老いの恋 鴨井喜子 （福島県会津若松市・75歳）
恋人に電話したのに妻が出る 望月哲子 （東京都三鷹市・67歳）
君の名がなかなか出ないもどかしさ 沢田正司 （愛知県常滑市・84歳）
声がした呼ばれたわけじゃないけれど ひぐちいちおう （埼玉県上尾市・63歳）
幻聴じゃないのだ僕は地獄耳 長野　晃 （奈良県奈良市・82歳）
似てるけどクリームじゃないそれは糊 荘子　隆 （宮崎県宮崎市・71歳）
俺の買うクジはいつでも水の泡 杉山鈴谷 （東京都豊島区・87歳）
菖蒲湯のつもりでいたらニラだった 福田　進 （東京都三鷹市・79歳）
年金日孫がほほ笑む肩叩き 横手敏夫 （埼玉県南埼玉郡・68歳）
朝の水旨くて娑婆に未練あり 坂本孝子 （東京都豊島区・88歳）
雲行きが読めない空と今日の妻 隼　人 （横浜市瀬谷区・59歳）
水道水信用せずに水を買い 金子和子 （東京都豊島区・87歳）
レジの列右と左はよく進む 長崎正子 （東京都三鷹市・77歳）
水くさい事は言うなと茶碗酒 木村忠信 （東京都豊島区・82歳）
残高を教えてほしい余命表 大畑廣起 （岩手県盛岡市・74歳）
定年の孤立をライン繋ぎ止め 山田　明 （千葉県印西市・71歳）
依存症妻翔平に俺妻に 山登爺 （福岡県春日市・68歳）
シンプルが一番老いの進化論 渡辺勇三 （奈良県宇陀市・79歳）


課　題　「 病 院 」　　

珍しく調子いいから医者へ行く 荘子　隆 （宮崎県宮崎市・71歳）
紹介状印籠にして病院へ 橋本湧水 （埼玉県所沢市・70歳）
画像見る医師の無言に胸騒ぐ 亀津房子 （東京都大田区・67歳）
どの病院も見立ては同じ加齢です 長島秀治 （千葉市中央区・83 歳）
ヤブ医者も名医も混じる大病院 松永成三郎 （千葉県船橋市・83歳）
医者よりも人気美人の薬剤師 やんちゃん （福島県二本松市・60歳）
今月も一つくすりが増えました 柳谷益弘 （静岡県駿東郡・80歳）
待合室マウントを取るクスリ量 山岸由美子 （東京都中央区・66歳）
病院に通えるうちはまだ元気 萬國谷慶子 （東京都江東区区・73歳）
診察券選り取り見取りどれにする 巌窟王 （さいたま市大宮区・77歳）
ストレスは主治医に会えば飛んで行き 木村忠信 （東京都豊島区・82歳）
採血の痛くない日は運がいい はぐれ雲 （東京都西東京市・72歳）
麻酔さめ我が胆石と初対面 美川州平 （神奈川県相模原市・92歳）
点滴に酒を入れてと友せがむ 青葉太郎 （岐阜県可児市・76歳）
孫よりも若いナースに叱られる 藤井敬三 （東京都稲城市・81歳）
ネギ背負って人間ドック受診する 岡本充敏 （東京都大田区・59歳）
療養所病棟仕切る牢名主 遠藤靖彦 （千葉市稲毛区・73歳）
病室で眺む街の灯滲んでる 高橋和子 （東京都品川区・年齢不詳）
病院食早く出ろよと言っている 石田達夫 （千葉県市原市・65歳）
碁敵が手ぐすねを引く退院日 二束三文 （東京都豊島区・80歳）
病院は帰るところにあるまじや 國定伊代子 （東京都千代田区・77歳）
デイの日になると元気になる夫 岡田久男 （東京都大田区・84 歳）
くしゃみする先生避けて息止める 鴨井喜子 （福島県会津若松市・75歳）
病院もやっとコロナに慣れてきた 茶飯士 （横浜市泉区・69歳）
居酒屋の梯子をやめて今医院 横手敏夫 （埼玉県南埼玉郡・68歳）
通院に付添う妻に頭垂れ ひぐちいちおう （埼玉県上尾市・63歳）
人徳の無さを知ります病院で 横山閲治郎 （兵庫県西宮市・71歳）
幸福にすぐなれますと整形科 大畑廣起 （岩手県盛岡市・74歳）
大丈夫その一言で楽になる 風間なごみ （山梨県甲府市・82歳）
受診終え後ろ髪引く週刊誌 八木五十八 （岡山市中区・61歳）
天国に近い高層病室へ 長野　晃 （奈良県奈良市・82歳）
病院が職場にもなるテレワーク 隼　人 （横浜市瀬谷区・59歳）
退院日今日はうなぎと決めている 木村行吉 （名古屋市中区・73歳）
病院も書いてほしいね誓約書 山登爺 （福岡県春日市・68歳）
ぽっくりと逝きたいくせに医者はしご 渡辺勇三 （奈良県宇陀市・78歳）




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