2022年  1月入選作品 (2021年  12月応募分から) <順不同>

自 由 吟

その昔胸キュン彼も好々爺 松田千代子 (東京都豊島区・79歳)
マスク慣れ化粧の妻に目を見張る 鴨井喜子 (福島県会津若松市・75歳)
ときめきは恋ではなくて不整脈 杉山鈴谷 (東京都豊島区・86歳)
クラス会面影あるも出ぬ名前 正能照也 (福岡市南区・75歳)
レントゲン焦がした胸も写るかも 笠原たかし (東京都豊島区・81歳)
居酒屋の味で日常取り戻す 浅見忠司 (東京都三鷹市・74歳)
女房の舌が肥えたら身も肥えた 加藤佑子 (東京都調布市・75歳)
胸焼け元をたどればふかし芋 吉澤康裕 (東京都豊島区・79歳)
また負けた妻の背中にあかんべー 内田順子 (東京都三鷹市・69歳)
ガソリンも脂肪数値も高いまま 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・70歳)
診察で舌を下かと勘違い 星 蕘志 (東京都三鷹市・86歳)
大口が隠れるマスク離せない 長野 晃 (奈良県奈良市・82歳)
もらうより出てくの多い祝い金 やんちゃん (福島県二本松市・60歳)
田舎では田と土地と家負の遺産 愚  村 (兵庫県たつの市・66歳)
過敏症周りの人のノーマスク ひぐちいちおう (埼玉県上尾市・63歳)
公園に忘れられてる松葉杖 沢田正司 (愛知県常滑市・83歳)
笑うまいボケが俺にもきっとくる 大畑廣起 (岩手県盛岡市・73歳)
古いけどこの生き方が心地よい 渡辺勇三 (奈良県宇陀市・78歳)


課 題 「酔う」  

自粛明け五臓六腑に酒染みる 山岸由美子 (東京都中央区・66歳)
酔うほどに過去の悪事がほどけだす 松永成三郎 (千葉県船橋市・83歳)
酔っ払いご機嫌なのは自分だけ 遠藤靖彦 (千葉市稲毛区・73歳)
年重ね口先だけの呑んべいに 萬國谷慶子 (東京都江東区区・73歳)
酔ったふり高嶺の花を口説きたい 大月佐江子 (山梨県上野原市・73歳)
真打の酔う名演技じつは下戸 藤井敬三 (東京都稲城市・81歳)
寂聴の熱い法話に酔いしれる 長島秀治 (千葉市中央区・82 歳)
酔うほどに上を向くひと沈むひと 岡田久男 (東京都大田区・84 歳)
空瓶のなんと多いか踊りだす 萩原倫子 (東京都千代田区・71歳)
酔うほどにマイク離さずエンドレス 山登爺 (福岡県春日市・68歳)
ZOOM呑み終電ですと逃げられず 岡本充敏 (東京都大田区・59歳)
おひらき後酔った恩師の靴探し 正能照也 (福岡市南区・75歳)
人の靴履いてるかなり酔っている 大畑廣起 (岩手県盛岡市・73歳)
ノンナルで酔った気分の得な奴 細川岩男 (さいたま市大宮区・76歳)
元酒豪老いてノンアル千鳥足 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・68歳)
ちどり足帰巣本能ナビ要らず 亀津房子 (東京都大田区・67歳)
千鳥とてこうは歩けぬ千鳥足 渡辺勇三 (奈良県宇陀市・78歳)
ドブだけは器用に避ける千鳥足 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・70歳)
街路樹につかまりながら歩いてる 國定伊代子 (東京都千代田区・77歳)
やけ酒sw怒りが飛べば安いもの 石田達夫 (千葉県市原市・65歳)
酔いがさめ落とした記憶探す道 橋本湧水 (埼玉県所沢市・70歳)
ほろ酔いでイルミネーションよく光る 鴨井喜子 (福島県会津若松市・75歳)
妻が注ぐ水で割れない情に酔う 八木五十八 (岡山市中区・61歳)
悪酔いし女房口説いてあきれられ 二束三文 (東京都豊島区・79歳)
妻よりも孫のお酌に酔いまわる やんちゃん (福島県二本松市・60歳)
酔い醒まし甘露甘露と水を飲む 木村忠信 (東京都豊島区・82歳)
忘年会酔ったふりしてすぐ眠り 糸井淳治 (大阪府岸和田市・74歳)
二年振り忘年会で羽目外す 風の大地 (神奈川県厚木市・61歳)
終いのこと想って酒が意気を吐く 風間なごみ (山梨県甲府市・82歳)
酔うほどに身の上話聞かされる 沢田正司 (愛知県常滑市・83歳)
割り勘と言われて急に覚める酔い 木村行吉 (名古屋市中区・72歳)
ただ酒で酔うとあくる日二日酔い 柳谷益弘 (静岡県駿東郡・79歳)
冬の夜ほろ酔いひとり鍋つつく 長野 晃 (奈良県奈良市・82歳)
もう四年断酒続ける吾に酔い ひぐちいちおう (埼玉県上尾市・63歳)
上戸より娘婿には下戸選ぶ 愚  村 (兵庫県たつの市・66歳)




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