2021年  12月入選作品 (2021年  11月応募分から) <順不同>

自 由 吟

自粛明け業務多忙な招き猫 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・78歳)
貰い癖コロナ消毒両手出す 佐藤 光 (東京都豊島区・81歳 )
耳多忙補聴器マスク眼鏡かけ 加藤佑子 (東京都調布市・75歳)
解除後の油断待ってる次の波 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・70歳)
願い事すこし控える神無月 隼 人 (横浜市瀬谷区・58歳)
定年を前にして家事仕込まれる 山登爺 (福岡県春日市・68歳)
腕まくりしたけど亭主見てただけ 杉山鈴谷 (東京都豊島区・86歳)
レンジがチン老いた我が家の働き手 坂本孝子 (東京都豊島区・87歳)
逢えぬ夜の酔いがまわらぬひとり酒 風間なごみ (山梨県甲府市・80歳)
失恋の聞き役いつも月だった 浅見忠司 (東京都三鷹市・74歳)
青春の竹馬の友は恋敵 正能照也 (福岡市南区・75歳)
同窓会あいつの握手痛かった 金子和子 (東京都豊島区・86 歳)
仲良しの夫婦にもある裏帳簿 山田 明 (千葉県印西市・71歳)
夫婦喧嘩聞いてる猫があくびする 内田順子 (東京都三鷹市・69歳)
スーパーで街の噂も買って来た 大畑廣起 (岩手県盛岡市・73歳)
鼻につく過去の栄光趣味自慢 ひぐちいちおう (埼玉県上尾市・63歳)
脳トレに孫に教える詰将棋 やんちゃん (福島県二本松市・60歳)
へそくりの在りか聞きたい臨終時 花輪厚生 (東京都三鷹市・83歳)
散骨は青きドナウにしてほしい 沢田正司 (愛知県常滑市・83歳)
やり残し見ないふりして年を越す 鴨井喜子 (福島県会津若松市・75歳)


課 題 「留守」  

老妻はいつもお出かけ亭主留守 松永成三郎 (千葉県船橋市・83歳)
後期でもまだ留守番の用足せる 柳谷益弘 (静岡県駿東郡・79歳)
ドアフォンに今留守ですと応えさせ 遠藤靖彦 (千葉市稲毛区・73歳)
留守宅へ置いた手土産気にかかる 大月佐江子 (山梨県上野原市・73歳)
居留守使い心苦しい年の暮れ 山岸由美子 (東京都中央区・66歳)
留守なのか新聞の山気にかかる 小林寿美 (東京都西東京市・71歳)
居留守続け近所騒がす老い一人 美川州平 (神奈川県相模原市・92歳)
朝寝する宅配便は留守となる 國定伊代子 (東京都千代田区・77歳)
冷蔵庫パンパンにして妻は旅 風間なごみ (山梨県甲府市・80歳)
引き返し鍵確かめて苦笑い 石田達夫 (千葉県市原市・65歳)
カミさんの留守を確かめホッとする ひぐちいちおう (埼玉県上尾市・63歳)
留守居して妻のへそくり見付け出し 木村忠信 (東京都豊島区・82歳)
妻の留守ここぞとばかり鍋奉行 城門塵 (横浜市泉区・68歳)
妻は留守朝からお酒殿気分 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・78歳)
留守三日帰れば部屋はゴミの山 萩原倫子 (東京都千代田区・71歳)
また小言しばらく耳を留守にする 長島秀治 (千葉市中央区・82 歳)
キッチンにテレビ手元がお留守です 岡本充敏 (東京都大田区・59歳)
ままごとの父ちゃん役はいつも留守 藤井敬三 (東京都稲城市・81歳)
定年後ポチより多いお留守番 正能照也 (福岡市南区・75歳)
期待する犬に留守番言い聞かせ 萬國谷慶子 (東京都江東区区・73歳)
留守電が長い伝言ぶった切る 橋本湧水 (埼玉県所沢市・70歳)
留守番も居留守も無用無人島 岡田久男 (東京都大田区・84 歳)
蜘蛛の巣と雑草語る長い留守 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・70歳)
えらそうな夫一人で留守できず 大畑廣起 (岩手県盛岡市・73歳)
引き篭り留守番任せと啖呵切る 長野 晃 (奈良県奈良市・82歳)
留守電に文句言ってるお爺ちゃん やんちゃん (福島県二本松市・60歳)
猛犬が人懐こくて留守ならず 細川岩男 (さいたま市大宮区・76歳)
家人留守責任重いポチの役 二束三文 (東京都豊島区・79歳)
厨では居留守と分かる笑い声 沢田正司 (愛知県常滑市・83歳)
居留守だとバレてはいても押し通す 右田俊郎 (東京都大田区・78歳)
居留守して大事な用事棒に振る 鴨井喜子 (福島県会津若松市・75歳)
美人かな顔見て居留守インタホン 糸井淳治 (大阪府岸和田市・73歳)
留守番は泥棒よけの柔道着 ジェリック (神奈川県海老名市・年齢不詳)
月末は諭吉が留守をする我が家 八木五十八 (岡山市中区・60歳)
脳味噌がだんだん留守になってゆく はぐれ雲 (東京都西東京市・72歳)
出張から帰れば妻の置手紙 隼 人 (横浜市瀬谷区・58歳)




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