2021年  10月入選作品 (2021年  9月応募分から) <順不同>

自 由 吟

台風もメタボなのかな大型化 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・67歳)
昭和歌一人で聴けば目が潤む 浅見忠司 (東京都三鷹市・74歳)
バイキングすんで別腹常備薬 鴨井喜子 (福島県会津若松市・74歳)
舌肥えた夫でなくて楽な妻 杉山鈴谷 (東京都豊島区・86歳)
何かある素直に話聞く夫 やんちゃん (福島県二本松市・60歳)
女房に涙見せても首振られ 花輪厚生 (東京都三鷹市・83歳)
しかられてマスクの中で舌を出す 笠原たかし (東京都豊島区・81歳)
貰い泣きまだ残ってた感受性 長崎正子 (東京都三鷹市・77歳)
あーんさせ医師も舌出すのど治療 佐藤 光 (東京都豊島区・81歳 )
いい車見ると年収いくらかな 大畑廣起 (岩手県盛岡市・73歳)
可愛くて泣かしたあの子鬼嫁に 池田知子 (東京都三鷹市・76歳)
手こずった三男坊が家を継ぐ 沢田正司 (愛知県常滑市・84歳)
草花が元気をくれる散歩道 山田 明 (千葉県印西市・71歳)
舌もつれ足ももつれる老年期 木本憲枝 (東京都豊島区・73 歳)
認知症の種目も欲しいパラ競技 あめんぼ (東京都稲城市・81歳)


課 題 「軽い」  

普段なら気にもならない軽い咳 長島秀治 (千葉市中央区・82 歳)
ワクチンを済ませ足取り軽くなり 藤井敬三 (東京都稲城市・81歳)
軽やかな医者の笑顔が薬です はぐれ雲 (東京都西東京市・71歳)
帰り道軽く一杯懐かしい 萬國谷慶子 (東京都江東区区・73歳)
軽い人軽く食べましょ軽く言う 國定伊代子 (東京都千代田区・77歳)
うちの妻口は軽いが身は重い やんちゃん (福島県二本松市・60歳)
花嫁を抱えたときは軽かった 遠藤靖彦 (千葉市稲毛区・73歳)
重い腰湿布二枚で軽くなる 鴨井喜子 (福島県会津若松市・74歳)
お気軽に夫人は言うが社長宅 美川州平 (神奈川県相模原市・92歳)
気まずさに軽いジョークを入れてみる 柳谷益弘 (静岡県駿東郡・79歳)
おじさんのみやげ軽石ひとつだけ 萩原倫子 (東京都千代田区・71歳)
覚えてもすぐに漏れ出す軽い脳 亀津房子 (東京都大田区・67歳)
吐露しない頭の中身金次第 渡邊治道 (岡山市北区・70歳)
子が巣立ち身軽になってボランティア 大月佐江子 (山梨県上野原市・73歳)
泣き止んだ孫の頭を軽く撫で 二束三文 (東京都豊島区・79歳)
国境をひらりと超える平和な日 山岸由美子 (東京都中央区・66歳)
陣笠を脱いで身軽な菅の傘 岡田久男 (東京都大田区・84 歳)
軽量の力士伝える古い技 石田達夫 (千葉県市原市・65歳)
帰り際軽く行こかの声が絶え 岡本充敏 (東京都大田区・59歳)
軽自動車を選ばないのは重い見栄 橋本湧水 (埼玉県所沢市・70歳)
重装備いのちは軽い自爆テロ 松永成三郎 (千葉県船橋市・83歳)
隠居して重い命を軽く生き 八木五十八 (岡山市中区・60歳)
欲を捨て身軽になって逝く準備 沢田正司 (愛知県常滑市・84歳)
軽はずみで言った一言縁結び 木村忠信 (東京都豊島区・81歳)
軽いジャブ女房にしたら倍返し 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・67歳)
聞く度に妻の体重軽くなり 隼 人 (横浜市瀬谷区・58歳)
存在を軽くしているループタイ 木村行吉 (東京都豊島区・81歳)
軽い軽い年金暮らしの懐は 細川岩男 (さいたま市大宮区・76歳)
この坂を超えたらきっと軽くなる 大畑廣起 (岩手県盛岡市・73歳)
ご先祖は殿でなかった足軽よ 糸井淳治 (大阪府岸和田市・73歳)




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