2021年  5月入選作品 (2021年  4月応募分から) <順不同>

自 由 吟

何の日か知らないけれど休日だ あめんぼ (東京都稲城市・80歳)
穏やかな気持ちになれる風呂の中 やんちゃん (福島県二本松市・59歳)
パスワード忘れて土産買えぬ旅 沢田正司 (愛知県常滑市・83歳)
遠い日の私と出逢う祭り笛 渡辺勇三 (奈良県宇陀市・77歳)
大惚けと小惚け二人でお茶すする 長崎正子 (東京都三鷹市・77歳)
騙されて笑い流した4月馬鹿 鴨井喜子 (福島県会津若松市・74歳)
ハゲ爺におでこどこかと聞ける孫 内田順子 (東京都三鷹市・69歳)
赤子にも爺の頬ずり嫌がられ 杉山鈴谷 (東京都豊島区・86歳)
このあたり確か分け目があったはず 浅見忠司 (東京都三鷹市・73歳)
面の皮風雪耐えて厚くなり 笠原たかし (東京都豊島区・81歳)
歳とると頑固オヤジが増える謎 斉藤道子 (東京都三鷹市・74歳)
妻の許可あって異性の友が持て 山田 明 (千葉県印西市・70歳)
今更に手遅れな肌美顔術 吉澤康裕 (東京都豊島区・79歳)
ウイルスも生き残るため変異して 渡邉邦昌 (神奈川県鎌倉市・78歳)
ババシャツからヒートテック婆進化 坂本孝子 (東京都豊島区・87歳)
アナログの爺はおどおどセルフレジ 正能照也 (福岡市南区・74歳)
返納し健脚生かしパトロール 横手敏夫 (埼玉県南埼玉郡・67歳)
あの人と同じく一人冷や奴 山登爺 (福岡県春日市・67歳)
リハビリで返納近し車椅子 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・69歳)
マスクして隠したくない我がマスク 長野 晃 (奈良県奈良市・81歳)


課 題 「花」  

ああ妻よ綺麗な花に棘がある 糸井淳治 (大阪府岸和田市・73歳)
褒めたのに職場の花はいま禁句 遠藤靖彦 (千葉市稲毛区・79歳)
差別語に馬耳東風の木瓜の花 長島秀治 (千葉市中央区・82歳)
押し花のすみれ微笑む母の辞書 藤井敬三 (東京都稲城市・80歳)
押し花を貰い調べる花言葉 石田達夫 (千葉県市原市・65歳)
花盗人きっと心は美しい 沢田正司 (愛知県常滑市・83歳)
花を見て花を摘み花を食べ 國定伊代子 (東京都千代田区・77歳)
誕生日花よりケーキメタボ腹 八木五十八 (岡山市中区・60歳)
小粒でも薔薇より光る薬指 鴨井喜子 (福島県会津若松市・74歳)
お目出度い場所しか知らぬ胡蝶蘭 木村行吉 (名古屋市中区・72歳)
自分史の余白に添える赤い花 橋本湧水 (埼玉県所沢市・70歳)
花丸を付けてあげたい瑠花子さん 岡本充敏 (東京都大田区・59歳)
待ちわびてあっと言う間に散るさくら 萬國谷慶子 (東京都江東区区・73歳)
遅咲きの名脇役が主役食う 亀津房子 (東京都大田区・67歳)
お花見で浮かれたツケが腰にくる 大畑廣起 (岩手県盛岡市・73歳)
タンポポは花壇を嫌い道端に 城門塵 (横浜市泉区・68歳)
むかし梅今の花見はさくらかな 清水美砂子 (さいたま市北区・70歳)
男のロマン笑顔咲かせて桜守 大月佐江子 (埼玉県上野原市・年齢不詳)
客なくて刺身になれぬ桜鯛 萩原倫子 (東京都千代田区・71歳)
料理屋も顔負けだなと妻に花 美川州平 (神奈川県相模原市・92歳)
デートじゅう彼女泣かした杉の花 岡田久男 (東京都大田区・82歳)
うっせぇわと本音トークに花が咲く 山岸由美子 (東京都中央区・66歳)
花と散る時代が過ぎて平和かな 松永成三郎 (千葉県船橋市・83歳)
型通り花束が付く退職日 二束三文 (東京都豊島区・79歳)
義理の花足の踏み場も無い個展 正能照也 (福岡市南区・74歳)
花一輪添える気持ちが喜ばれ 長野 晃 (奈良県奈良市・81歳)
コロナでも季節は巡る花も咲く 荘子 隆 (宮崎県宮崎市・69歳)
桜まで時短要請するコロナ 横浜あぱっち (横浜市瀬谷区・58歳)
花占いワクチン接種するしない 山登爺 (福岡県春日市・67歳)
花金がまたも自粛で愚痴る孫 木村忠信 (東京都豊島区・81歳)
人生の午後もまたよし花めぐり 渡辺勇三 (奈良県宇陀市・77歳)
この歳にふさわしいのは山桜 はぐれ雲 (東京都西東京市・71歳)
きれいだな庭の花見て日が過ぎる 宮尾美明 (愛知県愛西市・76歳)
咲き誇る花も人にも未来あり やんちゃん (福島県二本松市・59歳)
花一面この世忘れる浄土かな 渡邉邦昌 (神奈川県鎌倉市・78歳)
生きているうちが花だと気付く老い 右田俊郎 (東京都大田区・78歳)



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