２０１９年 7月入選作品　（２０19年6月応募分から）　＜順不同＞


自　由　吟

メモたんと残して妻は旅に出る 沢田正司 （愛知県常滑市・81歳）
目覚ましは妻より優し電子音 粒良園枝（東京都三鷹市・64歳）
ノーメイク振り向かないで怖いから 風間なごみ（山梨県甲府市・79歳）
分ったと分かっていない妻が言う やんちゃん（福島県二本松市・57歳）
目が合えば妻とタマには噛みつかれ 茶唄鼓（広島県福山市・65歳）
甘い夢邪魔してくれる高イビキ 斉藤道子（東京都三鷹市・65歳）
耳の奥不死身の蝉が棲みついた 長崎正子（東京都三鷹市・73歳）
救急車トーセトーセと道を開け 花輪厚生（東京都三鷹市・年詠不祥）
高齢の運転免許泣いている 寺井一也（石川県珠洲市・62歳）
膝枕昔夫で今ペット 鴨井喜子（福島県会津若松市・72歳）
ああ雨だ予定はないし金もない 笠原たかし（東京都豊島区・79歳）
雨の日の部屋の中には万国旗 木本憲枝（東京都豊島区・72 歳）
傘させずさせない筈だそれは杖 杉山鈴谷（東京都豊島区・82歳）
梅雨明けにタンス預金を干乾しする 佐藤　光（東京都豊島区・76歳 ）
ゴキブリに爺ちゃんだけが活気づき あめんぼ（東京都稲城市・79歳）
五輪まで一年夢が見えてきた いいだひでき（東京都武蔵野市・62歳）



課　題　「苦手」　　

ピーマンを除けて子供にとがめられ 石田達夫（千葉県市原市・65歳）
年追って苦手ばかりが多くなる 比良正弘（川崎市中原区・90歳）
苦手ではすまなくなった妻の愚痴 やんちゃん（福島県二本松市・57歳）
美味なりと言うも苦瓜苦手なり 岩窟王 （さいたま市大宮区・74歳）
車庫入れはもののけよりも首伸びる 茶唄鼓（広島県福山市・65歳）
パトカーを見るとドキドキしてしまう 寺井一也（石川県珠洲市・62歳）
免許返納苦手運転さようなら 山岸由美子（東京都中央区・年齢不詳)
苦手です言って謙虚にやりすごす 風間なごみ （山梨県甲府市・79歳）
二次会はいつもカラオケ無い店で 鎌田康裕（山形県鶴岡市・82歳）
苦手でも指名されれば歌も出る 本多秀司（東京都三鷹市・83歳）
音痴だというがマイクは離さない 藤井敬三（東京都稲城市・79歳）
苦手だと言っていたやつ先頭に 岡田久男（東京都大田区・80歳）
酔うほどに自慢話がくどくなる 鴨井喜子（福島県会津若松市・72歳）
酒飲みは切上げどきが難しい 長島秀治（千葉市中央区・８２歳）
茶だけ飲み場を盛り上げる下戸同志 木村忠信（東京都豊島区・79歳）
一粒の泪男を溺れさす samu（大阪府池田市・76歳）
雨の日は苦手だけれど風情あり 國定伊代子（東京都千代田区・77歳）
いじめた子議員になって挨拶に 美川州平（神奈川県相模原市・88歳）
初対面作り笑顔で値踏みされ 亀津房子（東京都大田区・67歳）
苦手でも患者は医者を避けられず7 松永成三郎（千葉県船橋市・83歳）
難しくしたら使えぬパスワード 遠藤靖彦（千葉市稲毛区・79歳）
数学が解けない夢を今も見る 岡本充敏（東京都大田区・59歳）
二代目の背中に痛い初代の眼 二束三文（東京都豊島区・77歳）
苦手な人が磁石を付けて寄ってくる 橋本湧水（埼玉県所沢市・69歳）
口下手で思いの丈が話せない 萩原倫子（東京都千代田区・71歳）
年を取り苦手を避けてマイウエイ いいだひでき（東京都武蔵野市・62歳）
ゴキブリに悲鳴を上げる巨漢です 柳谷益弘（静岡県駿東郡・76歳）
人好きの母に苦手な人はない 沢田正司（愛知県常滑市・81歳）





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