シニア ユーモア川柳 しにあ・せん
これまでの発表作品

 2015年11月発表作品

自 由 吟

朝起きてアイラブユーは今はなし 小山博史(東京都三鷹市・76歳)
聞き返す妻に無口になる夫 草野たえ(佐賀県唐津市・60歳)
老いの道夫よりそい妻よける 福島和江(東京都豊島区・65歳)
可も不可も無くてしみじみ夫見る 鴨井喜子(福島県会津若松市・68歳)
老いてなお初恋の人美しく 原 忠男(東京都稲城市・70歳)
シナリオの通りにいかぬ恋ひとつ 真田義子(仙台市太白区・70歳)
逢えるかも知れぬ散歩に紅を引く 和田ふみ緒(東京都板橋区・年齢不詳)
買ったまま三年眠る万歩計 吉沢康裕(東京都豊島区・年齢不詳)
散歩かと聞けば頷く徘徊者 神津弘子(東京都三鷹市・80歳)
街歩きどこかでカメラにらんでる 笠原たかし(東京都豊島区・76歳)
園児にも追い抜かされるハイキング 杉山鈴谷(東京都豊島区・年齢不詳)
孫は来て猫にぺこりと頭下げ 山崎三知恵(東京都三鷹市・70歳)
晴れた空つい口ずさむ良いつうじ 風間なごみ(山梨県甲府市・年齢不詳)
くすり飲む顔見てさめた恋もある 福村まこと(京都市下京区・71歳)
おばちゃんに注意するとき要る覚悟 雨のんまな(奈良県宇陀市・72歳)
へそくりで大金当てて妻無口 沢田正司(愛知県常滑市・78歳)
慣れぬうちドギマギするよセルフレジ 辻井正雄(名古屋市緑区/63歳)
嫌なことだけはなかなか忘れない 葛西文夫(埼玉県富士見市・88歳)
一億は無理だ少子化高齢化 高木正明(さいたま市中央区・79歳)


課 題 吟 「虫」  

試着室いつの間にやら蝶になる 真田義子(仙台市太白区・70歳)
芋虫は整形もせず蝶になる 長島秀治(千葉市中央区・78歳)
青虫は嫌い宙舞う蝶が好き 川上芳信(栃木県宇都宮市・65歳)
虫の音が聞こえるだけの一人酒 原 忠男(東京都稲城市・70歳)
俺よりも音程が良い虫の声 小田慶喜(兵庫県明石市・59歳)
虫の音を止めてうれしい恋の夜 小林和夫(東京都中央区・80歳)
補聴器が掬ってくれた虫の声 美川州平(神奈川県相模原市・82歳)
コオロギも住民ですと鳴く夜長 萩原倫子(東京都千代田区・71歳)
虫つかず仕事にはまり三十路過ぎ 安藤昌之(千葉県浦安市・70歳)
誰に似た虫のつかないわが娘 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
虫ついた娘に親が歓喜する 岩窟王(さいたま市大宮区・70歳)
虫食った野菜が売れる朝の市 藤井敬三(東京都稲城市・75歳)
ふるさとに泣き虫だった頃の空 相模秋茜(神奈川県藤沢市・66歳)
少年の夏に虫かごよく似合う 亀津房子(東京都大田区・67歳)
科学者へ夢を開いた虫めがね 稲村まこと(京都市下京区・71歳)
あなたはきっと恥じ入っている団子虫 古沢かおる(東京都中央区・年齢不詳)
尺取りも測りきれない超高層 表 明子(東京都新宿区・67歳)
腹の虫飽食の世に居なくなり 比良正弘(川崎市中原区・87歳)
虫好かぬ奴が今では無二の友 岡田久男(東京都大田区・76歳)
虫殺す顔が揃って無礼講 外村さおり(千葉県佐倉市・60歳)
タデを喰いオンリーワンを目指す人 橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳)
放置した虫歯に謀反起こされる 星野睦悟朗(さいたま市浦和区・74歳)
腹の虫いつ治まるや恋敵 長嶋昭美(横浜市緑区・85歳)
名月を知らぬ蝉鳴く耳頭 寒河江孝子(東京都荒川区・69歳)
虫の声聞こえる庭は平和です 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
泣き虫が今は立派な経営者 木村忠信(東京都豊島区・77歳)







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