シニア ユーモア川柳 しにあ・せん
これまでの発表作品

 2015年10月発表作品

自 由 吟

遊べない体力もない金もない 福島和江(東京都豊島区・年齢不詳)
諭吉さん振込みまではもう居ない 風間なごみ(山梨県甲府市・年齢不詳)
空腹にバリュウム旨い健診日 鴨井喜子(福島県会津若松市・68歳)
あの鰻思い出すたび頬ゆるむ 粒良園枝(東京都三鷹市・64歳)
着て脱いで女が遊ぶ衣更え 金子和子(東京尾豊島区・79歳)
しばらくは戻りませんと置手紙 草野たえ(佐賀県唐津市・60歳)
夏休み家族旅行は子守り役 寒河江孝子(東京都荒川区・69歳)
ネクタイを外し故郷の風を吸う 相模秋茜(神奈川県藤沢市・66歳)
毎日が遊びのような日を送り 笠原たかし(東京都豊島区・74歳)
ポキポキと敬老の日のストレッチ あめんぼ(東京都稲城市・75歳)
老活が過ぎて足腰貼り薬 高木正明(さいたま市中央区・79歳)
食い違う思い出辿るクラス会 浅見忠司(東京都三鷹市・67歳)
不都合なことは聞こえぬ地獄耳 沢田正司(愛知県常滑市・77歳)
嫁姑いつの間にやら響き合う 真田義子(仙台市太白区・70歳)
親心六十七の息子も子なり 栗山絹子(岡山市中区・70歳)
おだてられ社長をいさめ窓際に 葛西文夫(埼玉県富士見市・88歳)
断捨離の決意にぶらす記念品 池田知子(東京都三鷹市・69歳)


課 題 吟 「充電」  

嫁を待つ充電期間とうに過ぎ 原 忠男(東京都稲城市・70歳)
わが恋は充電不足で切れたまま 長嶋昭美(横浜市緑区・85歳)
居酒屋にある私の充電器 星野睦悟朗(さいたま市浦和区・74歳)
充電の酒の目盛が増えていく 草野たえ(佐賀県唐津市・60歳)
黒和牛たらふく食えばこころ充つ 岡田久男(東京都大田区・76歳)
リストラを充電中と虚勢張る 亀津房子(東京都大田区・67歳)
湯治場は充電中の音しきり 古沢かおる(東京都中央区・年齢不詳)
充電の旅追いかけてくるメール 川上芳信(栃木県宇都宮市・65歳)
充電を忘れたスマホ持ち歩き 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
携帯の充電切れに泣いた恋 鴨井喜子(福島県会津若松市・68歳)
曇り空おひさま今日も充電か 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
充電のできる財布を探してる 安藤昌之(千葉県浦安市・70歳)
東京の五輪観たいと充電中 比良正弘(川崎市中原区・87歳)
やかんの水かけてラガーが生き返る 藤井敬三(東京都稲城市・75歳)
老の身は充電してもままならず 小林和夫(東京都中央区・80歳)
叩いたら昭和の家電動き出す 橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳)
充電のつもりの本が子守唄 長島秀治(千葉市中央区・78歳)
カブト虫充電してと孫の言う 表 明子(東京都新宿区・67歳)
食み尽くし無心の蝶になる 外村さおり(千葉県佐倉市・60歳)
充電も放電もする日曜日 極楽トンボ(千葉県船橋市・55歳)
定年後充電し過ぎ太鼓腹 木村忠信(東京都豊島区・76歳)
現代に合わぬ形のコンセント 小田慶喜(兵庫県明石市・59歳)
充電をしたての脳はよく喋る 萩原倫子(東京都千代田区・71歳)
充電がすぐに漏電老いの日々 美川州平(神奈川県相模原市・82歳)


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