しにあせん これまでの入選作品



 2019年 2月入選作品


自 由 吟

巫女さんの顔見て並ぶお札授与 浅見忠司(東京都三鷹市・71歳)
爺ちゃんは雑煮食うたび入歯消え あめんぼ(東京都稲城市・78歳 )
食べ過ぎと言った人ほど良く食べる 鴨井喜子(福島県会津若松市・72歳)
貧乏くじお互い様で五十年 長崎正子(東京都三鷹市・73歳)
運命の人もいつしかストレスに 新妻昌子(東京都三鷹市・年齢不詳)
新聞配達のバイクが朝を連れて来る 松田千代子(東京都豊島区・74歳)
朝食べて新聞読んだあとは暇 笠原たかし(東京都豊島区・79歳)
縁側で猫と取り合う冬陽射し やんちゃん(福島県二本松市・57歳)
朝散歩気になる人の犬をほめ 吉澤康裕(東京都豊島区・77 歳)
安全な男と見られエスコート 沢田正司(愛知県常滑市・81歳)
吾が人生口が過ぎたり滑ったり 加藤佑子(東京都調布市・69歳)
意地を張り勝ってはみたが不味い飯 風間なごみ(山梨市甲府市・77歳)
蟹売りの大きな声がアメ横で 鎌田康裕(山形県鶴岡市・81歳)
我が家では先祖代々キャシュレス 荘子 隆(宮崎県宮崎市・67歳)
激震の平成終わる夜明け待つ 鎌田富美子(東京都豊島区・82歳)



課 題 吟 「正月」  

気兼ねなく朝酒飲める三が日 長島秀治(千葉市中央区・80歳)
雑煮食う米寿の喉が見張られて 亀津房子(東京都大田区・67歳)
おせち料理隣の家も同じ味 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
亡き妻のおせち偲びつパンかじる 美川州平(神奈川県相模原市・88歳)
駅伝のタスキが運ぶお正月 橋本湧水(埼玉県所沢市・69歳)
大吉が出て巫女さんに礼を言い 藤井敬三(東京都稲城市・78歳)
二の腕がまぶしく見えた歌留多とり 遠藤靖彦(千葉市稲毛区・79歳)
正月は身も細るよな孫来る 岩窟王(さいたま市大宮区・74歳)
お年玉誰からいくら孫のメモ 本多秀司(東京都三鷹市・82歳)
お正月まごの財布は太鼓腹 横手敏夫(埼玉県南埼玉郡・65歳)
年ごとに減ってく髪と年賀状 荘子 隆(宮崎県宮崎市・67歳)
年賀状出さぬとあの世疑われ やんちゃん(福島県二本松市・57歳)
愛犬の喪中で欠礼年賀状 二束三文(東京都豊島区・77歳)
寝正月餅と一緒で横に伸び 茶唄鼓(広島県福山市・65歳)
書初めの次はカラオケ初稽古 岡田久男(東京都大田区・79歳)
旧正月街に飛び交う中国語 石田達夫(千葉県市原市・65歳)
爆竹の音に芽吹きの中華街 岡本充敏(東京都大田区・59歳)
出番です猪突猛進年女 鴨井喜子(福島県会津若松市・72歳)
三が日終えて女の小正月 萩原倫子(東京都千代田区・71歳)
正月が律儀に歳を置いて行く 柳谷益弘(静岡県駿東郡・76歳)
正月は知らぬ間に過ぎ介護の日 風間なごみ(山梨市甲府市・77歳)
正月もあっという間に年の暮れ 沢田正司(愛知県常滑市・81歳)
お正月ゆっくり来てよ掃除まだ 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
ボーとして年の瀬過ごし蕎麦を食べ 木村忠信(東京都豊島区・79歳)
正月をムショで迎える救世主 松永成三郎(千葉県船橋市・83歳)