| 誉められて日課となった風呂掃除 |
鳥飼洋子(東京都三鷹市・59歳) |
| 美人かと問えば鏡が答えてる |
氷川の杜(さいたま市北区・69歳) |
| 仲が良いふりをしているペアルック |
真田義子(仙台市太白区・72歳) |
| 試着室いつもお世辞を言う鏡 |
浅見忠司(東京都三鷹市・67歳) |
| 化粧して若く見えても手は四十 |
イカケヤ(名古屋市緑区・65歳) |
| 白髪染めやめて素直に年をとる |
鴨井喜子(福島県会津若松市・71歳) |
| 預貯金を余命の数で割って見る |
浜千鳥(島根県隠岐郡・81歳) |
| クラス会セレブの隣暖かい |
金子和子(東京都豊島区・79歳) |
| 自由な身監視カメラに写される |
風間なごみ(山梨市甲府市・77歳) |
| 仲直りコタツでそっと触れる足 |
佐藤 光(東京都豊島区・76歳 ) |
| 人肌がジワリ伝わる膝枕 |
笠原たかし(東京都豊島区・76歳) |
| 誉められて家庭菜園作り過ぎ |
粒良園枝(東京都三鷹市・64歳) |
| 勤勉に散歩をせがむ冬の犬 |
荘子 隆(宮崎県宮崎市・66歳) |
| 忘れたと言えば半分許される |
よもやま話(奈良県宇陀市・74歳) |
| 除夜の鐘撞いて今年の句読点 |
沢田正司(愛知県常滑市・80歳) |
| 童謡も演歌も似合うあの時代 |
山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳) |
| 爺ちゃんの歌はひばりと裕次郎 |
藤井敬三(東京都稲城市・77歳) |
| 風呂敷をしょえばヒーロー昭和の子 |
岡本充敏(東京都大田区・59歳) |
| ラムネ飲む不意に昭和がやってくる |
安藤昌之(千葉県浦安市・70歳) |
| 遠ざかるテニスコートのロマンスも |
岡田久男(東京都大田区・79歳) |
| 路地裏の夢のたまり場紙芝居 |
茶唄鼓(広島県福山市・64歳) |
| 水洟でそでがピカピカ光ってた |
はぐれ雲(東京都西東京市・68歳) |
| 何もない昭和の遊び石を蹴り |
風間なごみ(山梨市甲府市・77歳) |
| 七輪の秋刀魚が消えた路地の裏 |
鴨井喜子(福島県会津若松市・71歳) |
| 米借りて醤油も借りた良い時代 |
真田義子(仙台市太白区・72歳) |
| 昭和から静かに消えたとなり組 |
萩原倫子(東京都千代田区・71歳) |
| 食糧不足一生分を喰った芋 |
美川州平(神奈川県相模原市・85歳) |
| おふくろの味に昭和の母の影 |
氷川の杜(さいたま市北区・69歳) |
| ごちそうは月に一度のクジラ肉 |
イカケヤ(名古屋市緑区・65歳) |
| 今よりもモノはないけどあった夢 |
お 酢(福島県福島市・54歳) |
| 古橋は戦後日本の救世主 |
長島秀治(千葉市中央区・79歳) |
| モンペはき昭和通りを横切った |
國定伊代子(東京都千代田区・77歳) |
| 訳知らぬままに歌った行軍歌 |
本多秀司(東京都三鷹市・81歳) |
| 忘れない昭和支えた人柱 |
遠藤靖彦(千葉市稲毛区・79歳) |
| 激動の昭和を生きた自負がある |
沢田正司(愛知県常滑市・80歳) |
| 中卒の就職列車増え続け |
木村忠信(東京都豊島区・78歳) |
| ひと眠りさせる昭和の散髪屋 |
福村まこと(京都市下京区・73歳) |
| 値上げせず昭和のままの定食屋 |
喜九郎(兵庫県西宮市・56歳) |
| またひとつ昭和の店が消えていく |
荘子 隆(宮崎県宮崎市・66歳) |
| 路地裏に昭和の風が吹き抜ける |
亀津房子(東京都大田区・67歳) |
| 万博も東京五輪もいい日和 |
柳谷益弘(静岡県駿東郡・75歳) |
| すべからく右肩上がり信じてた |
表 明子(東京都新宿区・67歳) |
| アイデアも歩きタバコで出た時代 |
橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳) |
| 昭和には無かったモンゴル大相撲 |
松永成三郎(千葉県船橋市・83歳) |
| 傘廻す昭和の芸が又消えた |
比良正弘(川崎市中原区・90歳) |
| 消え残る汽車の煙に立ち尽くす |
上野道雄(京都市伏見区・80歳) |
| 昭和の世食い物探しくたびれた |
長嶋昭美(横浜市緑区・85歳) |
| 俺昭和平成の孫曾孫生む |
小林和夫(東京都中央区・80歳) |
| 昭和わろてんか寡婦不自由 |
ぶんぶく(青森県つがる市・61歳) |
| 昭和なら今年何年いつも聞き |
石田達夫(千葉県市原市・65歳) |
| 初恋も昭和とともに遠くなり |
長田博昭(東京都葛飾区・72歳) |
| 捨てるのにとても勇気の要る昭和 |
よもやま話(奈良県宇陀市・74歳) |
| ご退位に昭和はさらに遠くなる |
右田俊郎(東京都大田区・75歳) |
| くどい程生きて昭和を語り継ぐ |
浜千鳥(島根県隠岐郡・81歳) |

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