しにあせん これまでの入選作品



 2017年7月入選作品


自 由 吟

混浴の見ても見ぬふり湯気の中 杉山鈴谷(東京都豊島区・81歳)
風呂上りのどが喜ぶ生ビール 石川裕子(東京都豊島区・80歳)
ネジを巻くたびに陽気な古時計 よもやま話(奈良県宇陀市・74歳)
老人会ないしょ話も大声で 藤田節子(東京都三鷹市・76歳)
老いの身は聞いた噂をすぐ忘れ 浅見忠司(東京都三鷹市・67歳)
マイナンバーどこにいったか見当たらぬ 瀬のしろ(京都市伏見区・73歳)
惚けてなお貸したお金は忘れない 沢田正司(愛知県常滑市・79歳)
先ず俺が賞味期限を試される 長戸康孝(さいたま市北区・68歳)
同窓会うわさの美女のなれの果て 小口通子(東京都調布市・66歳)
井戸端はブレーキ効かぬ人ばかり 斉藤道子(東京都三鷹市・65歳)
ペットにも介護保険が欲しくなる 鴨井喜子(福島県会津若松市・70歳)
小走りを膝に笑われ息も切れ 江口 徹(埼玉県春日部市・70歳)
血圧と相談をするお湯かげん 吉澤康裕(東京都豊島区・74歳)
風呂静か耳そばだてる老いた妻 中村百合子(東京都板橋区・85歳)
立ち話通りすがりに耳ダンボ 林田昭子(東京都三鷹市・年齢不詳)
町内会肩書き隠し人気でる 小池イケイケ(埼玉県上尾市・69歳)
父と子の会話はいつも糸電話 イカケヤ(名古屋市緑区・65歳)
あれこれと言う日が増えて日が暮れる 執行宣光(東京都多摩市・74歳)
反論を飲み込み背中丸くなり 吉沢かおる(東京都中央区・64歳)
許すたび心が広くなる老後 あめんぼ(東京都稲城市・77歳)



課 題 吟 「流れる」  

願いごと待ってくれない流れ星 長島秀治(千葉市中央区・79歳)
流れ星妻に言えない願する イカケヤ(名古屋市緑区・65歳)
流れるが如く喋ってボロを出す 松永成三郎(千葉県船橋市・83歳)
徘徊のうわさ流れる散歩好き 藤井敬三(東京都稲城市・77歳)
検査中なのに病名流れてる 萩原倫子(東京都千代田区・71歳)
下駄飛ばし川に流され大騒ぎ 長田博昭(東京都葛飾区・71歳)
運動会流れて笑う顔もある 橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳)
ソーメンをつかみそこねて箸流す 岡本充敏(東京都大田区・年齢不詳)
名水が流れる里に残る墓 福村まこと(京都市下京区・73歳)
時流れ空き家ばかりが目立つ町 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
願いごと唱えつ仰ぐ夏の空 遠藤康彦(千葉市稲毛区・年齢不詳)
強風に流れるほどの髪はなし はぐれ雲(東京都西東京市・67歳)
流れない時間がほしい初夏の朝 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
夏の恋秋に流れて冬ひとり 柳谷益弘(静岡県駿東郡・75歳)
恋人よ時流れても忘れるな 長嶋昭美(横浜市緑区・85歳)
怪しいと噂流れるあの二人 美川州平(神奈川県相模原市・84歳)
不都合は右から左聞き流し 安藤昌之(千葉県浦安市・74歳)
流れには乗れぬ男の立ち泳ぎ 沢田正司(愛知県常滑市・79歳)
夕焼けこやけ流れて街は黄昏る 表 明子(東京都新宿区・67歳)
雑踏に流れて素顔溶けてゆく よもやま話(奈良県宇陀市・74歳)
夏の夜に世直しの矢か流れ星 岡田久男(東京都大田区・78歳)
流されるよりも流れるように生き 小野市雄(神奈川県鎌倉市・65歳)
ブランド品言っても実は質流れ 石田達夫(千葉県市原市・65歳)
延長が流れて態度変わる妻 小池イケイケ(埼玉県上尾市・69歳)
式次第流れスムーズ酒旨い 鴨井喜子(福島県会津若松市・70歳)
めんめんと東をどりが匂い立ち 吉沢かおる(東京都中央区・64歳)
いくすじの流れ集めてわれ卒寿 比良正弘(川崎市中原区・90歳)
正論をうなずきながら聞き流す 亀津房子(東京都大田区・67歳)