しにあせん これまでの発表作品



 2016年4月発表作品


自 由 吟

職を終え家事に目覚めて小うるさい  和田ふみ緒(東京都板橋区・82歳)
スイーツに目が無いくせに酒も好き 木村忠信(東京都豊島区・76歳)
訳ありの人がワイワイおでん酒 よもやま話(奈良県宇陀市・72歳)
目歯耳がダメでも口はよく喋り 杉山鈴谷(東京都豊島区・81歳)
忙しくなくなってから呆け始め 葛西文夫(埼玉県朝霞市・88歳)
手相には出ない呆け線前立線 高木正明(さいたま市中央区・79歳)
目が合って頭下げたがどこの誰 笠原たかし(東京都豊島区・76歳)
一日の暮らしテレビに支配され 小泉恵子(東京都三鷹市・年齢不詳)
テレビ見てクイズの答ひとり言 田丸和宏(東京都三鷹市・年齢不詳)
クラス会昔ときめき今動悸 あめんぼ(東京都稲城市・75歳)
整形をしたのに親は気付かない 福村まこと(京都市下京区・72歳)
美男美女先祖たどればみんな猿 沢田正司(愛知県常滑市・78歳)
朝ドラで今学んでる夫婦愛 浅見忠司(東京都三鷹市・67歳)
あれこれと録画し過ぎて何も見ず 小山博史(東京都三鷹市・76歳)
銀行は目薬ほどに利子を付け 吉澤康裕(東京都豊島区・74歳)
ゼロ金利部屋の箪笥とにらめっこ 鴨井喜子(福島県会津若松市・69歳)
歯をみがく目も磨きたい花粉症 坂本孝子(東京都豊島区・年齢不詳)
眠れないヒツジがヒツジを連れて来て 草野たえ(佐賀県唐津市・60歳)
咲かせるかしぼむか古希の分岐点 よもやま話(奈良県宇陀市・72歳)


課 題 吟 「薬」  

薬よりクスリ求めて寄席通い 長島秀治(千葉市中央区・78歳)
薬飲むそばから酒を流し込み 松永成三郎(千葉県船橋市・83歳)
私にはこれが薬と赤ワイン 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
百薬の長と言っても限度あり 石田達夫(千葉県市原市・65歳)
百薬の長は保険が効きません 落犀庵(広島県福山市・62歳)
わんぱくの勲章だった赤チンキ 藤井敬三(東京都稲城市・75歳)
薬よりパッとよく効くママのハグ 星野睦悟朗(さいたま市浦和区・74歳)
ちちんぷいぷいママのポッケにあるくすり 古沢かおる(東京都中央区・64歳)
じいちゃんは孫の笑顔で風邪治す はぐれ雲(東京都西東京市・66歳)
春のうた老いる心に効く薬 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
豆ほどの薬に命あずけてる 萩原倫子(東京都千代田区・71歳)
旅の供昔チョコ今常備薬 寒河江孝子(東京都荒川区・69歳)
宿の朝薬見せあう古希の友 安藤昌之(千葉県浦安市・70歳)
あの世でも吾飲む薬欲しいもの 長嶋昭美(横浜市緑区・85歳)
自慢する薬の多さ見る閻魔 長田博昭(東京都葛飾区・71歳)
老い可笑し眼鏡のまんま目薬を 美川州平(神奈川県相模原市・82歳)
目薬は天に目を開けくち閉じよ 岡田久男(東京都大田区・76歳)
バイアグラ老いらくの恋に花が咲き 小林和夫(東京都中央区・80歳)
歳不問恋は美肌のプラシーボ 外村さおり(千葉県佐倉市・60歳)
ジェネリック言われてどこに効く薬 川上芳信(栃木県宇都宮市・65歳)
副作用止める薬の副作用 橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳)
貯金減り薬増えてく老夫婦 比良正弘(川崎市中原区・87歳)
なぜ余る毎日しっかり飲んだのに 直井照男(岐阜県高山市・66歳)
飲んだかな飲んでないかなまた迷う 右田敏郎(東京都大田区・年齢不詳)
防災の袋にまずは常備薬 鈴木則子(静岡県磐田市・75歳)
金メダル時に薬が取り上げる 亀津房子(東京都大田区・67歳)
百薬の長に命を縮められ 表 明子(東京都新宿区・67歳)
毒舌を薬と知ったあの日から よもやま話(奈良県宇陀市・72歳)
信じれば小麦粉さえも風邪に効く 沢田正司(愛知県常滑市・78歳)
良く効いた食前食後のありがとう 原 正三(島根県出雲市・61歳)