しにあせん これまでの発表作品



 2016年2月発表作品


自 由 吟

鬼嫁の前で爺ちゃんボケて見せ 和田ふみ緒(東京都板橋区・82歳)
落し物届けて傘を置いてくる 葛西文夫(埼玉県富士見市・88歳)
近頃はバリアフリーも蹴躓く 高木正明(さいたま市中央区・79歳)
書初めの夢が年ごと萎み行く 横山嘉公(東京都豊島区・年齢不詳)
寝てるのか長湯に夫が声かける 鴨井喜子(福島県会津若松市・69歳)
怖いのはカード払いの請求書 松田千代子(東京都豊島区・74歳)
何もかもマイナンバーが幅利かせ 木本憲枝(東京都豊島区・66歳)
ミステリー好きな私の途中下車 真田義子(仙台市太白区・70歳)
人前で漢字が書けずうろたえる 笠原たかし(東京都豊島区・76歳)
名水のうまさで苦い薬飲む 福村まこと(京都市下京区・71歳)
遺言の筆預金の額で手が止まり 吉沢康裕(東京都豊島区・年齢不詳)
座禅堂出ると恋しいネオンの灯 沢田正司(愛知県常滑市・78歳)
色紙で孫からいつもラブレター 石川裕子(東京都豊島区・年齢不詳)
お年寄り皆ほほえみて足湯する よもやま話(奈良県宇陀市・72歳)
悪筆をワードが救う年賀状 杉山鈴谷(東京都豊島区・年齢不詳)
ゴミ出しをパックの顔で指図され あめんぼ(東京都稲城市・75歳)


課 題 吟 「歌」  

歌でならアイラブユーはすぐ言える 松本泰任(千葉県市原市・55歳)
鼻唄だ何かいい事隠してる 星野睦悟朗(さいたま市浦和区・74歳)
鼻歌に秘めた娘の恋模様 亀津房子(東京都大田区・67歳)
万葉集今も変わらね恋心 表 明子(東京都新宿区・67歳)
デュエットは酒とロマンの隠し味 原 忠男(東京都稲城市・70歳)
九官鳥主の音痴をそのまんま 美川州平(神奈川県相模原市・82歳)
この音痴カナリヤならば捨てられた 橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳)
音痴ほど歌詞の正しさナンバーワン 岡田久男(東京都大田区・76歳)
音痴だと謙遜してるけど音痴 夢  邸(兵庫県西宮市・年齢不詳)
いつもそう俺が歌うとお開きに 安藤昌之(千葉県浦安市・70歳)
躓いて転び痛みを歌に詠み 長嶋昭美(横浜市緑区・85歳)
自叙伝は演歌のようなことばかり 落犀庵(広島県福山市・62歳)
紅白も演歌うすれて老い淋し 比良正弘(川崎市中原区・87歳)
カラオケの操作わからず時が逃げ 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
デュエットで相手狂わす腕がある 萩原倫子(東京都千代田区・71歳)
カラオケの拍手互いを支え合う 古沢かおる(東京都中央区・64歳)
メロディもダンスも良いが意味不明 外村さおり(千葉県佐倉市・60歳)
幼子がリズムに揺れるお気に入り 寒河江孝子(東京都荒川区・69歳)
CDは歌で売るより握手券 石田達夫(千葉県市原市・65歳)
戦中の歌にひもじさよみがえる 葛西文夫(埼玉県富士見市・88歳)
君が代を外国力士口ずさみ 藤井敬三(東京都稲城市・75歳)
父歌う君が代の歌ふし違う 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
潮騒は母なる海の子守歌 長島秀治(千葉市中央区・78歳)
童謡がやさしい顔にしてくれる 柳谷益弘(静岡県駿東郡・73歳)
花が咲く歌い被災地忘れない 川上芳信(栃木県宇都宮市・65歳)