しにあせん これまでの発表作品



 2016年1月発表作品



自 由 吟

爺ちゃんの腹は三段飾り餅 あめんぼ(東京都稲城市・75歳)
年取ると何もしないが肩が凝る イカケヤ(名古屋市緑区・63歳)
あちこちの部品不良と医者の弁 高木正明(さいたま市中央区・79歳)
昼夜なく飯はまだかと義父は言い 内田順子(東京都三鷹市・年詠不祥)
なにげなく点けたテレビで日が暮れる 笠原たかし(東京都豊島区・76歳)
うたた寝もテレビを消すと目を覚ます 佐藤 光(東京都豊島区・年齢不詳)
最近は読めて書けない字が増えた 葛西文夫(埼玉県富士見市・88歳)
自画像がちょっと美人に画けました 真田義子(仙台市太白区・70歳)
独り鍋そんな暮らしがまた一人 翔のんまな(奈良県宇陀市・72歳)
シニア事故明日はわが身と気を締める 渡辺勇三(奈良県宇陀市・72歳)
もてなしもテレビをつけて済ます嫁 金子和子(東京尾豊島区・79歳)
イケメンの連続ドラマ夢にまで 石川裕子(東京都豊島区・年齢不詳)
若き日の自分に重ね見るテレビ 和田ふみ緒(東京都板橋区・82歳)
幾つものたられば浮かぶ長い夜 浅見忠司(東京都三鷹市・67歳)
焼き芋屋窓の下からセレナーデ 小山洋子(東京都三鷹市・77歳)
よく持ったあなたの髪と夫婦仲 鴨井喜子(福島県会津若松市・69歳)


課 題 吟 「神」  

五円玉投げて大きな願い事 星野睦悟朗(さいたま市浦和区・74歳)
願い聞き神が賽銭投げ返す 橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳)
五郎丸ポーズできめる初詣 長島秀治(千葉市中央区・78歳)
悪人も祈る時だけいいお顔 比良正弘(川崎市中原区・87歳)
神頼み思いかなわぬ老いの恋 小林和夫(東京都中央区・80歳)
神さまは賽銭貯めて出雲旅 落犀庵(広島県福山市・62歳)
出雲にも手をこまぬかれ三十路過ぎ 寒河江孝子(東京都荒川区・69歳)
欲も失せ健康だけが祈りごと 亀津房子(東京都大田区・67歳)
小銭持ち七福神をはしごする 藤井敬三(東京都稲城市・75歳)
七福神メタボなお腹ご愛嬌 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
神の手が素材を活かすシェフの味 川上芳信(栃木県宇都宮市・65歳)
満腹になると神様忘れます 相模秋茜(神奈川県藤沢市・66歳)
天神の梅よりはやい絵馬の花 萩原倫子(東京都千代田区・71歳)
神様も願いばかりで疲れ気味 原 忠男(東京都稲城市・70歳)
神頼みすればするほど負けが増え 長嶋昭美(横浜市緑区・85歳)
欠陥品創った神に瑕疵はない 外村さおり(千葉県佐倉市・60歳)
神様はお見通しだが観てるだけ 安藤昌之(千葉県浦安市・70歳)
年明けに多忙極まり寝込む神 古沢かおる(東京都中央区・64歳)
お祭りの時だけ拝む鎮守様 葛西文夫(埼玉県富士見市・88歳)
物事が良くできたのは神のせい 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
神さまの言うとおりに生きています 柳谷益弘(静岡県駿東郡・73歳)
年金に貧乏神がついてくる 美川州平(神奈川県相模原市・82歳)
貧乏神付くのは生きている証拠 岡田久男(東京都大田区・76歳)
大吉はあなたと出逢った50年 鴨井喜子(福島県会津若松市・69歳)
地震くるたびに捨て去る無神論 表 明子(東京都新宿区・67歳)